デジタル住宅展示場はどうやって作られたか。50人に聞いてわかった住宅業界の本当の問題

50人のユーザーに家づくりの本音を聞き、感覚ではなく、データで作りました。
その結果、見えてきたのは「情報が足りないから動けない」という単純な話ではありませんでした。

家を考えたい気持ちはある。
でも、動き出すと営業されそうで怖い。
問い合わせたら、電話やDMが来そうで不安。
ゆっくり比較したいのに、自分のペースで見られない。

多くの人が感じていたのは、そうした住宅業界の構造そのものへの不安でした。

だから私たちは、デジタル住宅展示場をただの便利なサービスとして作ったわけではありません。
50人の本音から見えた問題をもとに、
「安心して家づくりを考え始められる場所」として設計しました。

家探しを止めているのは「情報不足」ではなかった

家づくりを考え始めた人が止まってしまう理由は、情報が少ないからだけではありません。

むしろ今は、情報はたくさんあります。
住宅会社のホームページ、ポータルサイト、SNS、動画、口コミ、展示場情報。
見ようと思えば、いくらでも情報は出てきます。

それでも動けない人が多いのは、
情報の量ではなく、動いた後に何が起きるか分からない不安があるからです。

情報が多くても、安心して動ける状態でなければ、家探しは前に進みにくくなります。

50人に本音を聞いてみた

私たちは、50人のユーザーにアンケートを取りました。
聞きたかったのは、家づくりに関する表面的な希望だけではありません。

「どんな家がほしいですか」
「どんな住宅会社が好きですか」という話だけでは、本当の課題は見えてきません。

そこで私たちは、家づくりを考えるときに何が不安なのか、
どこで止まってしまうのか、何があると安心して比較できるのかを聞きました。

すると、多くの人が感じていたのは、情報不足ではありませんでした。

💬 情報はある。
でも、問い合わせをした瞬間に営業が始まりそうで怖い。
資料請求をしたら、電話やDMが来そうで気が重い。
展示場へ行ったら、まだ考えがまとまっていないのに話が進みそうで不安。

このような声が見えてきました。

つまり問題は、情報がないことではなく、情報を取りに行く行動そのものに不安があることでした。
家づくりに興味はある。でも、動いたら営業されるかもしれない。

この心理的なハードルが、多くの人の最初の一歩を止めていたのです。

一番多かった不満・悩みとは

アンケートで特に目立ったのは、「自分のペースで見られない」という不満でした。
家づくりは、本来とても個人的なものです。

家族構成、予算、働き方、将来の暮らし方、好きなデザイン、土地の条件。
人によって考えることは違います。

だからこそ、いきなり誰かに説明されるよりも、まずは自分たちで落ち着いて見たい。
気になる会社を比べたい。
分からないところを家族で話したい。

そう思うのは自然なことです。
しかし、従来の家探しでは、比較しようとすると個人情報の入力が必要だったり、
問い合わせや来場予約につながったりすることが少なくありません。

もちろん、住宅会社に悪気があるわけではありません。

ただ、ユーザー側から見ると、
「少し見たいだけなのに、営業につながるかもしれない」という不安が生まれます。
この不安があると、人は慎重になります。

まだ本格的に相談したいわけではない。
でも情報は見たい。

この段階で安心して見られる場所が少ないこと。
それが、アンケートから見えてきた大きな問題でした。

「動くと追われる」という構造的な恐怖

家探しが止まる背景には、「動くと追われる」という感覚があります。

問い合わせをしたら電話が来る。
資料請求をしたらDMが届く。
展示場へ行ったら営業担当者がつく。
一度接点を持つと、その後も連絡が続くかもしれない。

こうしたイメージがあると、ユーザーは最初の行動を取りにくくなります。

本当は少し見てみたいだけ。
まだ比較している段階。
家族で話し合う前に、まず雰囲気を知りたいだけ。
それなのに、行動した瞬間に営業対象になるかもしれない。

この構造がある限り、どれだけ情報が増えても、安心して動き出せる人は増えにくいと感じました。
私たちが変えたかったのは、まさにこの部分です。

情報を増やすだけではなく、
「見てもいい」
「比べてもいい」
「まだ相談しなくてもいい」と思える環境を作ること。

それが、デジタル住宅展示場を作る出発点になりました。

この章のまとめ

✓ 家探しが止まる理由は
情報不足だけではない
✓「動くと営業が来る」不安が
行動を止めている
✓ この構造を変えることが
必要だった

3つの不満が重なって検討が止まっていた

アンケートでは、家探しを止めている不満が1つではないことも分かりました。

電話やDMへの嫌悪感。
強引な営業への恐怖。
自分のペースで見られない不満。

この3つが重なることで、ユーザーは「見たいけれど動けない」状態になっていました。

3つの不満はそれぞれ独立しているのではなく、重なり合って家探しのハードルになっていました。

電話・DM嫌悪:7段階中6.14の不満

アンケートでは、電話やDMへの嫌悪感が7段階中6.14という高い数値になりました。
これは、かなり強い不満です。

住宅会社に問い合わせると、電話が来るかもしれない。
資料請求をすると、その後も連絡が続くかもしれない。
一度個人情報を入力すると、営業の対象になってしまうかもしれない。

このような不安は、家探しの初期段階では大きな負担になります。

まだ本気で相談したいわけではない。
まだ家族で方向性を話している途中。
まだ予算も会社選びもはっきりしていない。

その段階で電話やDMが来ると、ユーザーにとっては「便利」ではなく「重い」と感じられます。
もちろん、住宅会社側からすれば、問い合わせに丁寧に対応しているだけかもしれません。
でも、ユーザー側から見ると、まだそこまで進んでいないのです。

この温度差が、家探しの最初の一歩を止めていました。

まずは見たい。でも、連絡はまだいらない。
この気持ちに応えられる仕組みが必要だと感じました。

強引営業への恐怖:7段階中6.00の不安

強引な営業への恐怖も、7段階中6.00という高い数値でした。
この数字から分かるのは、ユーザーが単に「営業が嫌い」ということではありません。

本当は相談したい気持ちもある。
プロに聞きたいこともある。
でも、自分たちのペースを崩されるのが怖い。

そういう不安です。家づくりは大きな買い物です。

一度話が進み始めると、断りにくくなるのではないか。
まだ決めていないのに、商談の流れに入ってしまうのではないか。
比較したいだけなのに、契約に近づいてしまうのではないか。

こうした不安があると、ユーザーは慎重になります。

特に住宅業界では、展示場や相談会に行くことが、営業との接点になりやすい側面があります。
そのため、ユーザーは「行ったら話が進むかもしれない」と感じてしまいます。

私たちは、この不安を軽く見てはいけないと思いました。
営業そのものが悪いのではありません。
問題は、ユーザーがまだ相談したい段階ではないときにも、営業されるかもしれないと感じてしまうことです。

だからこそ、まずは営業されずに見られる場所が必要でした。

自分のペースで見られない:7段階中6.29の不満

3つの中で最も高かったのが、「自分のペースで見られない」という不満です。
スコアは7段階中6.29でした。この数字は、とても重要です。

ユーザーが求めていたのは、ただ情報を増やすことではありません。

自分たちのタイミングで見たい。
家族と話しながら考えたい。
気になる会社だけを落ち着いて比較したい。
分からないことが出てきたら、そのときに聞きたい。

つまり、主導権を自分たちの側に置きたいということです。
家づくりは、焦って決めるものではありません。

暮らし方、予算、土地、会社選び。
一つひとつ整理しながら進める必要があります。

それなのに、見るために個人情報が必要だったり、
担当者とのやり取りが前提になったりすると、自分たちのペースで考えにくくなります。

この不満が最も高かったことは、私たちにとって大きなヒントでした。
必要なのは、住宅会社の情報をただ並べることではない。
ユーザーが自分のペースで、安心して比較できる環境を作ること。

デジタル住宅展示場の設計は、この発見から大きく方向づけられました。

この章のまとめ

✓ 3つの不満がセットで行動を
止めている
✓ 営業への不安や連絡への抵抗感は
とても強い
✓ これは特別な悩みではなく、
多くの人が感じていること

データが示した解決策

アンケートで見えた問題は、はっきりしていました。

動くと営業されそうで怖い。
連絡が来るのが嫌。
自分のペースで見たい。

では、その不安をなくすには何が必要なのか。答えは、ユーザーの声の中にありました。

ユーザーが求めていたのは、安心して見られること、落ち着いて比較できること、そして信頼できる会社だけを見られることでした。

個人情報なし・連絡ゼロへの需要

まず強く求められていたのは、個人情報なしで見られることでした。これは、単なる便利機能ではありません。
家づくりの初期段階では、名前や電話番号を出すこと自体が大きなハードルになります。

「まだ相談するほどではない」
「まずは雰囲気だけ知りたい」
「比較してから考えたい」

この段階で個人情報を求められると、多くの人はそこで止まります。
なぜなら、個人情報を入力することが、営業連絡の始まりに感じられるからです。

だからデジタル住宅展示場では、まず見るだけなら個人情報なしで使えることにこだわりました。

見たいだけの人が、見られる。
比べたいだけの人が、比べられる。
相談したくなった人だけが、自分の意思で次に進める。

この順番が大切だと考えました。
ユーザーが安心できるのは、営業されないと言われることだけではありません。
営業されない状態が、仕組みとして作られていることです。

そのために、個人情報なし・連絡ゼロで見られる設計にしました。

自宅から比較できることへの需要

次に求められていたのは、自宅から比較できることでした。

住宅展示場へ行くことは、決して悪いことではありません。
実物を見られる良さもあります。
担当者に直接聞ける安心感もあります。

ただ、最初の一歩としては少し重いと感じる人もいます。

まだ予算も決まっていない。
どんな家が合うのかも分からない。
どの会社に行けばいいのかも分からない。

その状態でリアル展示場へ行くと、
情報量が多すぎたり、話が進みすぎたりして、かえって疲れてしまうことがあります。
だからこそ、自宅から落ち着いて比較できる場所が必要でした。

家族でソファに座りながら見る。
気になる会社を何度も見返す。
子どもが寝たあとに夫婦で話す。
休日にゆっくり比べる。

このように、自分たちの生活の中で家づくりを考えられることは、
ユーザーにとって大きな安心につながります。

デジタル住宅展示場は、家づくりを急がせる場所ではありません。
まずは自宅で、落ち着いて見られる場所。

その役割を持たせることにしました。

厳選工務店のみへの安心感

もう1つ、ユーザーが求めていたのは、安心して比較できる住宅会社だけが並んでいることでした。

住宅会社の数は多く、情報もたくさんあります。
でも、多すぎる情報は、かえって迷いを生みます。

どの会社が信頼できるのか。
どこを比べればいいのか。
価格や性能やデザインをどう見ればいいのか。
自分たちに合う会社はどこなのか。

すべてを自分で調べようとすると、かなり大変です。

だから私たちは、誰でも掲載できる場所ではなく、厳選した工務店だけを見られる形にしました。
これは、選択肢を減らしたいという話ではありません。
安心して比較できる土台を作るためです。

たくさんの会社から探す前に、まず信頼できる会社を落ち着いて見る。
自分たちに合いそうかどうかを比べる。
気になる会社があれば、次に進む。

この流れがあると、家づくりは少し進めやすくなります。
ユーザーが求めていたのは、情報の多さではなく、安心して選べる状態でした。

そのために、厳選工務店のみという形を選びました。

この章のまとめ

✓ ユーザーが求めていた解決策は
3つあった
✓ 個人情報なし・自宅比較・厳選工務店
を仕組みにした
✓ 感覚ではなく、ユーザーの本音に
基づいて設計した

だからデジタル住宅展示場を作った

デジタル住宅展示場は、思いつきで作ったサービスではありません。
「こういうものがあったら便利そう」という感覚だけで作ったものでもありません。

50人の本音を聞き、家探しが止まっている理由を見つめ、その解決策から逆算して設計しました。

デジタル住宅展示場は、家を探したい人が、営業される不安なく安全に動き出せる場所として作りました。

感覚ではなくデータで設計した

住宅業界には、昔から当たり前になっている流れがあります。

展示場に行く。
資料請求をする。
問い合わせをする。
担当者と話す。
商談が進む。

この流れは、すでに相談したい人にとっては便利です。

でも、まだ考え始めたばかりの人にとっては、少し早すぎることがあります。
私たちは、この違和感を感覚だけで決めたくありませんでした。

本当にユーザーは何に困っているのか。
どこで止まっているのか。
何があれば安心して動けるのか。

それを知るために、50人に本音を聞きました。
その結果、情報不足よりも、
営業への不安や自分のペースで見られないことが大きな壁になっていると分かりました。

だから、デジタル住宅展示場では、最初からその壁をなくすことを重視しました。

個人情報なしで見られる。
営業連絡が来ない。
自宅から比較できる。
厳選された工務店だけを見られる。

これらは、後から付け足した機能ではありません。
ユーザーの本音から逆算して決めた、サービスの根っこの部分です。

ユーザーが安全に動き出せる場所

私たちが作りたかったのは、ユーザーが安全に動き出せる場所です。
ここで言う安全とは、何も起きないという意味ではありません。

自分の意思で見られること。
自分のタイミングで考えられること。
まだ相談しなくてもいいこと。
必要になったときだけ次に進めること。

そういう安心がある状態です。

家づくりは、大きな決断です。
だからこそ、最初の一歩はもっと軽くていいと思っています。

いきなり問い合わせをしなくてもいい。
すぐに住宅会社へ行かなくてもいい。
営業担当者と話す前に、まずは自分たちで眺めてもいい。

この「まだ動き始めたばかりの人」の居場所が、住宅業界には少なかったのかもしれません。
デジタル住宅展示場は、そのための場所です。

家づくりを急がせるのではなく、考えるきっかけを作る。
営業される前に、自分たちの気持ちを整理する。
住宅会社に会う前に、相性を確かめる。

そうして、安心して次の一歩を考えられる状態を作りたいと思いました。

これが私たちの答え

50人の本音を聞いて見えてきたのは、とてもシンプルなことでした。

家づくりを考えたい人はいる。
でも、営業される不安や連絡への抵抗感がある。
だから、最初の一歩が重くなっている。

この問題を変えるために、私たちはデジタル住宅展示場を作りました。

自宅から見られる。
個人情報なしで見られる。
営業されずに比較できる。
厳選された工務店を落ち着いて見られる。

この仕組みがあれば、家づくりはもう少し安心して始められるはずです。

もちろん、デジタル住宅展示場だけで家づくりがすべて決まるわけではありません。
最終的には、住宅会社と話すことも大切です。
実際の家を見たり、担当者と相談したりすることも必要です。

でも、その前に、安心して考えられる場所があってもいい。
家づくりを始める人が、営業される不安ではなく、納得感を持って動き出せるように。

それが、私たちが出した答えです。

この章のまとめ

✓ データから逆算して
設計したサービス
✓ ユーザーが安全に動き出せる
場所を作った
✓ これが、私たちの正直な答え

まずは、気軽に見てみるところから

まだ住宅会社に問い合わせるほどではなくても大丈夫です。

まずは、どんな工務店があるのか。
どんな家づくりができるのか。
自分たちに合いそうな会社はありそうか。

気軽に眺めるところから始められます。
家づくりは、急いで決めるものではありません。

まずは安心して見てみる。
分からないことがあれば、気軽に聞いてみる。
その先で、必要だと思ったときだけ次に進む。

デジタル住宅展示場は、そのための入口です。